2009年7月13日月曜日

アルコール革命

日本では、4大酒企業のうちの2つ、キリンとサントリーの統合に向けた話し合いが話題となっている。経済に疎い私の心のなかでは、明治に創業してから使われているキリンのシンボルマークが消えて欲しくないなという思いと、世界に通用する企業となったら、海外で日本のビールが飲める機会が増えるかもという思いが交錯するのみである。

さて、私たちがマラウイで普段口にするお酒は、主に外国産では南アフリカのワイン、そして国内産ではブランタイヤに工場を持つデンマークの“カールスバーグ”のビールとなる。ビールの種類は豊富だが、私はもっぱら「グリーン」を愛飲している(アルコール度数4.7%)。333mlでケースだと1本約MK80、レストランでもMK200(約150円)前後で飲める。この国の酒税は安く、お酒はお手ごろ価格で購入できる。

ところが、そうはいっても安いと感じるのは自国と比べている日本人だからだろう。マラウイ人の多くにとって、ビールは手軽に購入できるものではない。そこで、地元の人が飲むアルコールは、マラウイ版の“どぶろく”がメインとなり、材料はミレット、とうもろし、サトウキビなどとイーストが使われている。中でも国から認可されているどぶろくは、工場生産された“チブク”というもので、赤青白の縞模様が入った牛乳パックのような容器で売られている。値段は1リットルMK70。タダなら飲むけど、お金を払って飲みたくない程度の味である。このシンボルカラーは目に着きやすいので、建物がこの3色に塗られていれば、すぐにそこが“チブクバー”であることが判断できる。

その他によく飲まれているのは、蒸留酒である。認可されている“マラウイジン”などは、ちょっとしたお土産として重宝されている。しかし、地元で飲まれているのは未認可の“カチャーソ”と呼ばれるもの。今回は、そのカチャーソ作りの現場に足を踏み入れた。

酒造りは、小さな小屋の中でおこなわれている。土器のような瓶にとうもろこしを搗精したときにでるカスと砂糖、イーストを入れ、寝かして置く。発酵した後は、それにふたをし、上部にはパイプを通す。瓶を火にかけると中で蒸発したアルコールがパイプに流れる、そこでパイプを冷やして、蒸発した液体を容器に収めるといった具合である。なかなか面白いシステムであった。

試飲させてもらうと思ったよりもすっきりとしていたが、エタノールのような感覚もあった。ちょっと悪酔いしそうな味なので、そうたくさん飲み続けないほうが賢明であろう。

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